理事長 佐々木淳
本学園は、おかげさまで今年2023年、創立120周年を迎えることができました。
百年企業というものは日本中でも数少ない中、明治36年に創立して以来、明治・大正・昭和・平成・そして令和と五つの時代を歩んでくることができました。これもひとえに、卒業生の皆さんや在校生と保護者の皆さん、そして本校の長い歴史の中それぞれの時代で鶯谷教育に従事していただいた教職員の皆さん、地域の方々等本学園にご縁のあったすべての皆様のご支援ご協力のおかげです。心より厚く御礼申し上げます。
本校は、明治の近代化の最中、日露戦争開戦の前年の1903年に岐阜県最古の私学として創立されました。そのため、明治初期における新しい国づくりへの情熱や使命感、そして高い志が本校の創立の精神の中にもみなぎっています。当時の日本では、封建的な考えがまだ根強く残っていましたが、学園創立者佐々木とよは、これからの新しい時代の女性は、経済的にも精神的にも自立し、自分に自信とプライドを持たなければいけないとの信念を持ち、女性の自立と尊厳の確立という大きな志をもって本校を創立しました。そのため創立以来長年にわたり女子教育に力をそそいできたわけですが、時代の変遷とともに変化する世の中の学園に対する期待に応えて、女子校から共学に移行し、さらには中高一貫教育の私立進学校へと変貌してきました。しかし建学の精神「自立・自尊」は、創立以来、世紀を超えて脈々と受け継がれてきています。また、佐々木とよの宣言にある「我ら真心もて教えの任に当らん」という教育理念も創立以来変わらず本校教育活動の基本となっています。
120年の歴史の中で、多くの困難や試練を乗り越えてきた学園が今日まで発展し続けていることは、我々にとって誇りであり、未来への責任でもあります。これからも「不易流行」の精神で、変えてはならないものは堅持し、それぞれの時代の要請に応じて変革を続け、生徒たちが持つ個々の才能を最大限に引き出し、彼らの可能性を広げるために我々は全力を尽くします。そして時代のリーダーたる有為な人材の育成のため教職員一同誠心誠意努力していく覚悟です。関係各位の皆様にも変わらぬご尽力をあらためてお願い致しまして、御礼のご挨拶とさせていただきます。
本学園の創立は、今から120年前の1903(明治36)年です。岐阜県の私学教育の草分けでもあります。
この年は日露戦争開戦の前年でもあり、明治時代の後半とは言え、まだまだ封建的な考えが根強く残り、男尊女卑の風潮が強い時代でした。
女性には教育は必要なく、結婚した後は夫に従い、家族に仕えて人生を送るのが当たり前の世の中でした。
そのため女性に対する教育機関は、地方にはほとんどないような状態でした。
そういう時代背景の中、世間の女性に対する理不尽な扱いを痛切に感じた学園創立者の佐々木とよは、これからの新しい時代の女性は、精神的かつ経済的にも独立し、自分に自信とプライドを持って生きていかねば、人間としての尊厳の確立はできないと強く感じ、単身東京に出て女子の高等教育を受けました。
そして東京で学んだ新しい知識と精神を広く地元の女性たちに伝えるために、自ら女子専門の教育機関を岐阜市の中心部に設立したのです。
このため本校では創立以来、長年にわたり女子教育に力を注いできたわけですが、時代の変遷とともに共学に移行し、さらには世の中の学園に対する期待に応えて現在では県下一の私立進学校へと大きく変貌してきました。
創立者の建学の精神は、前述したように、明治時代という封建的な考えが根強く残り女性の地位が低い時代に、新しい時代に生きる女性にとって必要となる、精神的にも経済的にも独立し、自分に自信とプライドを持って生きていける人間としての尊厳の確立です。
これは男女共学となった今でも男女に隔たりなく、本校の建学の精神として、生徒たちの自立心と自尊心の確立を大切な教育目標としています。
さらには、創立時の佐々木とよの宣言にある「我ら真心もて教えの任に当らん」という教育理念も創立以来変わらず本校教育活動の基本として、現在に至るまで、しっかりと守られてきています。
そのため、生徒一人ひとりの人格と個性を尊重し、全教職員が一丸となって親身な指導にあたっています。
現在鶯谷中学・高等学校では、特色ある学科・コース(中高一貫コース、普通科英進Ⅰ類・Ⅱ類・Ⅲ類)を設置し、実力や個性をのばす独自のカリキュラムのもと、きめ細かな指導を行っています。
土曜日も平常授業を実施し、夏休みの短縮や7限授業等、様々な方法で授業時間数や学習内容が充分確保された余裕のあるカリキュラムを設定しています。
また、心のふれあいを大切にする人間教育を重視し、普段の授業や学校行事、さらには学生会館での宿泊研修の中で、無理のない自然な情操教育を行っています。
生徒達がのびのびと学園生活を楽しみながら人間として大きく成長できるよう、常に心のケアにも努め、生徒とのコミュニケーションを大切にしています。
岐阜駅から15分という岐阜市の中心部にありながら、豊かな緑に囲まれた金華山の麓に位置し、美しい四季の移り変わりを肌で感じながら、静かな環境で日々学習に専念できます。
岐阜県内トップの進学校として確固たる立場を築くため、中高一貫教育による先取り教育と本校が伝統的に得意としてきた個々に応じたきめ細かな指導により、東京大学をはじめとする一流大学合格実績を高めていくとともに、様々な学校行事や課外活動を通して、創立者がめざした高い志と自ら考え行動できる自立心や、これからのグローバルな世の中を先導できる自信と自尊心を備えた人間を育てるために、我々教職員一同真心をもって教育を行っていきます。
学校長 横山 豊
歴史ある鶯谷中学・高等学校の新入生は、本校の校門に足を踏み入れると、満開の桜の花々とともに、校門横の塀にはめ込まれた石板に刻まれた「我ら真心もて教えの任に当らん」という言葉を目にします。1903年に創立者の佐々木とよ先生は開校式式辞の中で本校教員の心構えをこのように説かれました。我々教員は、登校時に、この教えを毎日心に刻み、教壇へと向かいます。
また、同じく式辞の中で述べられている本校建学の精神は、「自立・自尊」です。我々職員は、この建学の精神のもと、「知・徳・体」のバランスの取れた教育を行い、これからの日本を支えていく「心豊かでたくましく、自ら考え行動できる、優れたリーダー」を育成していくことを教育目標としています。
その教育目標を実現するため、一つ目に「我ら真心もて教えの任に当らん」の教えに従い、生徒に夢をあきらめさせない・生徒の指導に手間をおしまない・生徒の素行を見て見ぬふりをしない指導を日々実践しています。
二つ目に、常に創意工夫に満ちた指導方法で、授業理解の徹底を図り、自主的な学習態度の育成に務めています。
三つ目に、家庭との連絡を密にし、教育活動についての理解を得るとともに、常に生徒・保護者・教師の三者がお互いに協力し合える体制を構築しています。
そして、日常的に生徒に示しているスローガンは、「大志・継続・実現」です。
大志:まずは「大きな志」(大きな夢)を抱き、しっかりと目標設定をします。
継続:6年間、または3年間、常に勉学やスポーツに打ち込むという努力を「継続」します。
実現:大学の第一志望校合格という形で一つの目標を「実現」し、その先にある人生の夢の実現への扉を開きます。
鶯谷中学・高等学校での6年間、3年間は「夢を形にしていく6年間であり、3年間」です。あなた自身の力で、あなたの夢を実現しましょう。私たち職員は「真心」を持ってその夢の実現を後押ししていきます。